行政書士が外国人から在留資格の変更や在留期間の更新の手続きを依頼された場合、ご本人に代わって入管で手続きを行うために、ご本人からパスポートと在留カードをお預かりすることになります。
このときに、たまに「パスポートや在留カードを手放すのが不安だ」とおっしゃる方がいます。在留カードを他人に預けると携帯義務違反になるのではないか、と心配される方もいるようです。
入管法には携帯義務が定められている
不安に思うのも無理はありません。入管法(出入国管理及び難民認定法)第23条には、中長期在留者(在留カードを持って日本に滞在する外国人)は在留カードを常に携帯していなければいけないことや、警察官・入国審査官・入国警備官などに提示を求められたときには、提示をしなければいけないことが定められているからです。
行政書士が預かるのは問題なし
しかし、結論から申しますと、ビザ申請手続きのために行政書士にパスポートや在留カードを預けても携帯義務違反にはなりません。それは例外として扱われるため、問題になることはないのです。
同様に、勤務先の企業の人事担当者などが、ビザ申請手続きのために外国人からパスポートや在留カードを一時的に預かることも問題ありません。
在留カードの代わりに預り証を携帯する
ただし、在留カードを預けている間に、警察官などから在留カードの提示を求められることがあります。その際には、行政書士から発行された「預り証」を提示することで、携帯義務違反にはあたらないことを示すことができます。
当事務所でも、お客様のパスポートや在留カードを一時的にお預かりするときには、必ず「預り証」をお渡ししています。また、お客様のパスポートや在留カードは厳重に保管し、手続きが完了したら速やかに返却するようにしています。
パスポートや在留カードを預けるのは不安であるというお気持ちはよく理解できます。当事務所でも、その点について法律的に問題がないと詳しく説明することで、お客様にご理解をいただけるようにしています。