外国人が日本で働くためには就労ビザを取らなくてはいけません。就労ビザを取得するためには「専攻分野と業務内容の関連性」が必要であることはよく知られています。
専攻分野と業務内容の関連性が必要
例えば、大学で会計学を学んで、卒業後に経理として働くような場合には、専攻分野と業務内容に関連性があることが明らかに認められます。
基本的には、文系の学部を出て文系の仕事をしたり、理系の学部を出て理系の仕事をするのであれば、専攻分野と業務内容の関連性が問題になることはほとんどありません。
それでは、文系の学部を出て理系の仕事をしたり、理系の学部を出て文系の仕事をすることはできないのでしょうか?
実際、外国人の学生の方から「理系の学部を出て営業の仕事をしたいのですが、就労ビザは取れないのでしょうか?」という相談を受けることがあります。これについて詳しく説明します。
理系でも文系の職種に就くことは可能
結論から言うと、大卒者であれば、理学部・工学部・薬学部などの理系の学部を卒業して営業職に就くことは可能です。どんな場合でも確実に認められるとは限りませんが、ほとんどの場合には許可が取れると思います。
なぜなら、原則として、大卒の人は専門学校卒の人よりも専攻分野と業務内容の関連性が柔軟に判断されるとされているからです。理系の学部を出ていても、営業、総務、広報、経理などの文系の職種に就くことは可能なのです。
なぜそういう運用になっているかというと、現代の仕事の現場では幅広い知識が必要とされ、文系・理系の区分を厳密に当てはめることができないことが多いからです。
大学で学んだことと職務の関連性を理由書で説明する
とは言うものの、専攻科目と業務内容が全くの無関係であれば、ビザの取得が難しい場合もあります。大学で学んだことを実際の業務にどのように生かしていくのかということを、理由書などでわかりやすく説明することが重要です。
ちなみに、専攻分野と業務内容の関連性が柔軟に判断されるのは大卒の場合のみです。専門学校卒の場合には、関連性が厳しく判断されますので、無関係の分野に就職することはできません。
「自分は理系だから営業職に就くのは無理なのかな?」などと1人で悩む必要はありません。就労ビザが取れるかどうか不安なときには、行政書士などの専門家に相談してみてください。