外国に住んでいる外国人を日本に呼び寄せて、日本の企業で働いてもらうためには、就労ビザを取得することが必要です。この手続きの流れについて説明します。
在留資格認定証明書が必要
外国人を日本に呼び寄せるためには、日本の入管(出入国在留管理庁)で「在留資格認定証明書交付申請」を行う必要があります。日本で働くためのビザ(査証)を得るには「在留資格認定証明書」という書類が必要であるため、その申請を先にすることになります。
「在留資格認定証明書交付申請」ができるのは日本に住んでいる人のみです。日本の企業が外国人を雇う場合には、企業の経営者や人事担当者が手続きを行うのが一般的です。
また、外国人本人や企業からの依頼を受けて、申請取次という資格を持った行政書士や弁護士がこの手続きを行うこともあります。
申請後1~3カ月で結果が出る
在留資格認定証明書交付申請の標準処理期間は1~3カ月とされています。審査期間は個別の状況によって変わるので一概には言えませんが、通常は1カ月前後で結果が出ることが多いです。
無事に許可された場合には、「在留資格認定証明書」という厚紙1枚の書類が郵送で届きます。会社の担当者は、受け取ったその在留資格認定証明書を外国にいる外国人本人に郵送します。
このとき、必ず原本を送るようにしてください。コピーでは手続きができません。また、原本を紛失した場合には、再発行ができないため、再び交付申請をやり直さなくてはいけません。そのため、紛失しないように十分注意してください。
日本大使館で査証(ビザ)を申請する
本人は、その在留資格認定証明書を持って、日本大使館(領事館)で査証(ビザ)申請を行います。これが認められると、パスポートに査証(ビザ)と呼ばれるシールが貼られます。これで日本に入国することができるようになります。
ちなみに、認定証明書が発行された日から3カ月以内に入国をしなければいけません。その期限を過ぎると入国ができなくなってしまうのでご注意ください。
※注:2020年8月1日現在、新型コロナウイルス感染症による入国制限措置の影響で、この有効期間の扱いが変わっています。在留資格認定証明書の有効期間は、記載されている発行日にかかわらず「入国制限措置が解除された日から6カ月または2021年4月30日までのいずれか早い日まで」となります。
入国時に空港で在留カードが発行される
入国する際に、主要な空港(成田空港、羽田空港、中部空港、関西国際空港、広島空港、福岡空港、新千歳空港)では、空港で在留カードが発行されます。そこに「技術・人文知識・国際業務」という在留資格が記載されていることを確認してください。
在留カードとは、日本に在留する外国人用の身分証明書です。日本に滞在している間はこれを常時携帯していなければいけません。
主要な空港以外から入国した場合には、のちに登録した住所地に在留カードが送られてきます。
14日以内に住民登録を行う
入国から14日以内に住所地の最寄りの役所で住民登録を行いましょう。これを忘れていると、今後のビザの更新や変更の際に不利な扱いをされてしまうことがあります。