エンジニア、システムエンジニア(SE)などIT系の仕事で就労ビザを取るにはどうすればいいのか、ということについて解説します。
この仕事をするための要件の1つは学歴です。大卒か専門学校卒であることが求められます。大卒であれば、理系の学部を出ていて、情報処理系の科目を履修していることが望ましいです。
一方、専門学校卒であれば、IT系のことを専門にしている学校を出ている必要があります。この場合、大卒よりも専攻との密接な関連性が必要になります。
文系学部卒でも就労ビザが取れる場合がある
IT業界を志望する外国人の学生の方から「大卒だけど文系の学部だとビザが取れないのでしょうか?」という相談を受けることがあります。確かに、大卒の場合は理系の学部を卒業していることが基本的な要件になっています。
しかし、文系だと絶対に不可能かというと、必ずしもそうではありません。私が担当したお客様の中でも、文系の大学を卒業して、エンジニアとしての就労ビザを取れたケースがありました。
学部が文系だとしても、情報処理系の科目を履修しているなど、大学で学んだことと職務内容に関連があることを理由書などで的確に説明できれば、就労ビザが取れる可能性はあります。
文系の知識が生かせることもある
また、エンジニアとひとくちに言っても、具体的に行う仕事はさまざまです。そこで文系の知識が生かせる場合も少なくありません。
例えば、エンジニアとして会計ソフトの開発を担当するとします。この仕事自体はIT系の仕事ですが、これを行うためには基本的な会計の知識が必要になるでしょう。
その場合、大学の経済学部や経営学部を卒業しているのであれば、会計学の知識があると見なされ、就労ビザの要件を満たすと判断されることがあります。
原則として、大卒の人は専門学校卒の人よりも専攻分野と職務の関連性が柔軟に判断されます。「自分は文系だからエンジニアになるのは無理なのかな?」と1人で悩む必要はありません。そういうときには行政書士などの専門家に相談してみてください。
実務経験10年以上ならビザ取得可能
また、学歴がなくてもチャンスはあります。IT系の仕事で10年以上の実務経験があれば、就労ビザを取る要件を満たします。
ただし、この場合、10年以上の実務経験があることを書類で立証しなければいけません。自分が過去に辞めた会社に問い合わせて、在職証明書などを取得して、それを入管に提出する必要があります。