最近はコンビニ(コンビニエンスストア)でも外国人の店員を見かけることが多くなりました。実際、コンビニの経営者の方から「コンビニで働く外国人の就労ビザを取りたい」というご相談がたびたび寄せられています。コンビニ業の就労ビザの取り方についてご説明します。
ちなみに、ここで言う就労ビザとは、在留資格「技術・人文知識・国際業務」のことを指しています。
単純労働では就労ビザは取れない
原則として、コンビニの店舗でのレジ業務や品出し業務では就労ビザを取ることはできません。それらの仕事は「単純労働」にあたるため、就労ビザの要件を満たす仕事であるとは認められていないのです。
私たちが日常で見ているコンビニの店舗で働く外国人の方々は、ほとんどが留学生か主婦のアルバイトではないかと思います。留学生で「留学」の在留資格を持っている外国人は、資格外活動許可を得れば、コンビニでアルバイトをすることができます。
また、日本人と結婚して「日本人の配偶者等」という在留資格を持っている外国人は、就労に制限がないため、コンビニの店舗でも働くことができます。
専門性のある業務ならビザ取得可能
では、コンビニ業界で外国人が就労ビザを取れるケースはないのでしょうか? もちろんそれもあります。例えば、店舗ではなくオフィスでデスクワークを担当する場合です。店頭に立つことなく、店舗運営、総務、経理、マーケティングなどの仕事に専念するのであれば、就労ビザを取ることができます。
また、「通訳翻訳業務」として、外国人のお客様が多い店舗で、外国語のパンフレットやホームページを作成したり、店員に外国語を指導したりする業務に従事するのであれば、就労ビザが認められる場合もあります。
ただ、コンビニの場合、入管側も「実際には単純労働をさせるつもりではないか」と考えて、申請書類を厳しくチェックしています。ビザ取得のためだけにウソの書類を作って申請をするのはやめましょう。
「特定活動46号」ならコンビニ接客もできる
ここまで「単純労働では就労ビザは取れない」と説明してきましたが、唯一の例外があります。それは、2019年に作られた新しい在留資格「特定活動」(本邦大学卒業者/46号)です。これは、日本の大学を卒業した人や大学院を修了した人に限り、特定の条件のもとで単純労働を含む就労が認められる在留資格です。
日本の大学を卒業した外国人がこの在留資格を取るためには、学歴以外にも「日本語能力試験N1を取得していること」などの条件があります。この在留資格があれば、コンビニで接客業務などを行うこともできます。
「特定活動」(本邦大学卒業者/46号)が取れるかどうかは個別の状況によって変わりますので、取得を検討している方は行政書士などの専門家に相談するのがおすすめです。当事務所では、電話・メールでの簡単なご相談は無料で受け付けています。